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このままでいいのか日米特別協定

思いやり予算の思い切った削減と日米地位協定の改定を
11月10日参議院本会議 代表質問に立ちました

 久しぶりに本会議の代表質問に立ちました。森総理は欠席。報道各社の支持率調査が20%を切るという末期症状が出てきています。この日15分間の持ち時間をフルに使って、河野外務大臣と福田官房長官、虎島防衛庁長官に質問しました。

(なが−−い名前の議題です)
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第24条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について」

民主党・新緑風会  斎 藤   勁

 私は、民主党・新緑風会を代表して、日米特別協定に関して河野外務大臣、福田官房長官並びに虎島防衛庁長官に質問致します。

森総理は裸の王様だ 支持率は10%台

一 森内閣の支持率低下について

 この協定の締結について質問する前に、最近の内閣が民心から見放されているということについて指摘をし、そのことの重大な責任について官房長官と外務大臣に質問したい。

 各社の世論調査での内閣支持率はのきなみ10%台です。不支持は70%台にもなりました。ところが総理ならびにその周辺で支えようとしておられる皆さんは、政権の維持のみが自己目的化してしまっており、民の声がきこえていない。ある若い女性が、一昨日私になんと言ったか。「森さんって、裸の王様みたい」。すなわち、国民はみな森さんが総理としてもうやっていけないと知っているのに、森さんだけは立派にやっていると思い込み、、そしてその周辺で政権維持を目的としている方々のみが、立派な服を着ていると強弁している 

 私にはどうもそのようにしか見えないのです。
いかがでしょうか。

 景気はよくなったか。失業はなくなったか。ノーです。株価は下がり続けております。

 六百四十五兆円という国と地方合わせた財政赤字の解消の道筋がなんら語られず、今また補正予算で構造改革なきバラマキ政治を続けようとしている

 外交の場で、総理が軽はずみな発言をし、国益を失った。

 中川前官房長官が右翼とのつきあいや女性との関係できわめて不明朗かつ疑惑にみちた行為が指摘され、それを解明しないままやめ、総理は一貫してかばっていたのみならず、今日も事態を解明する努力を全く放棄している

 来年に迫った参議院選挙の制度は、与党の問答無用のごり押しで通してしまった。

 全国の中小企業主の福祉を名目に掲げているのにKSDがやったのは、多額の資金を自民党の支部に横流しし、九万人分の党費を立て替えて自民党の架空党員を増やすというとんでもない犯罪行為です。不況にあえぐ中小企業経営者をだましたものです。

 こうしたさまざまな国民からの批判と疑惑が渦巻いています。

 そこで、官房長官に、内閣支持率がきわめて低くなった原因はなんだと思っておられますか。簡潔におこたえください。

 また福田官房長官は一昨日の本院の本会議場で、中川前官房長官本人が捜査情報の漏洩を明確に否定しているから政府としては調査する必要がないと答弁されましたが、録音テープを自らの声と認められた中川さんの会話の内容は、明らかに捜査情報をもらしたものですが、それを認めないのでしょうか。ショートリリーフになるか、ロングリリーフになるのか、福田官房長官の役割はきわめて重要です。お答えください。

 河野外務大臣に伺います。かくも無惨な内閣の現状とこれまでの自民党政治の構造的問題点による民心の離反という現実を前にして、かって自民党総裁をなさった河野外務大臣はどう思われますか。参議院選挙を森首相で闘うのか闘わないのかを含め、森政権をめぐる自民党内の動向が報道されない日は無い今日、これほどの政権への不信にどう対処されるか伺いたい。

ゴアかブッシュか アメリカの対日政策はどうなるか

二 次に、十一月八日に行われた米大統領選挙の結果を政府がどう受け止めているか、外務大臣にうかがいます。

 十月のはじめにアーミテージ元国務次官補やナイ元国防次官補ら米国の超党派対日専門家グループが対日政策についての報告書を公表しています。その中で基地削減などで沖縄の負担軽減を提言する一方、日本にいっそうの役割分担を求めております。アーミテージグループの提言は、在日米軍のあり方について、「柔軟な対応をすべき時期がきている」と指摘しています。またキャンベル氏は日本での米軍の訓練はフィリピンやグアム島へ移すことが可能」と指摘しています。

 こうした報告書等、米国内部での議論に対して、このかんの河野外務大臣の国会答弁は評価を避けているようですが、対米関係を考える際、重要と思われるので、大臣の所見を伺いたい。

 米大統領選挙が行われ、激しいデッドヒートが展開されましたが、ブッシュ共和党、ゴア民主党のそれぞれの場合の対日政策、対アジア政策のこの後の展開についてどう変化が見られるかについて、外務大臣の所見を伺います。特に緊張緩和の流れの中で朝鮮半島の米軍の削減があり得るし、そうしたとき在日米軍は沖縄の海兵隊をはじめとして全体として縮小していく環境ができてくる、先の米国内部の報告書とあわせ、こうした問題も含めて日本として米軍基地縮小の取り組みをどうするか伺います。

コメ50万トン支援はどうやって決まったか

不透明な日朝交渉

三 朝鮮半島情勢と日朝交渉

 二十一世は目前。世界は大きく動こうとしています。朝鮮半島の情勢は大きく変わり、南北の代表が歴史的な握手をし、また米国務長官が十月にピョンヤンを訪問しました。この世界史の大転換にあって、特に東アジアの平和を創出すべき日本の外交はいかにあるべきか、今問われています。

 そこで、日本が対北朝鮮交渉をどのように進めていくか、このかん森総理の拉致疑惑に関する失言、非公式チャネルをつかっての親書疑惑など、国民の不信感は高まっていますが、一〇月末に行われた第十一回本会談の交渉がどのようなものだったのか、そして今後日本政府はどのように対処していくのでしょうか。

 このかん北朝鮮との交渉の際、誰もが驚いたのが先に政府が発表したコメの五十万トン支援の問題です。北朝鮮の農業が構造的な問題をかかえ、慢性的な食糧不足にあることは国連やWFP、世界食糧計画などの指摘からも明らかです。それに対して、人道的な観点から食糧援助をすることに私は賛成です。しかし、このかんの政府の説明をきいていますと、依然として、なぜどのようにして五十万トンのコメ支援が決まったかが全く不明瞭です。外務大臣にぜひ判断の根拠を教えていただきたい。

 そして、現段階の日朝交渉の内容と見通しを伺いたい。森総理は英国首相に現在選択肢として残っているという拉致問題解決策の裏話まで披露されているのですから、日本の外務大臣は日本の国会に可能な限り報告する義務があると考えるが、河野外務大臣にこの点を明確にしていただきたい。

増え続けてきた「思いやり予算」を減らせ

四 地位協定に基づく特別協定に関して

 日米地位協定に基づく「日米特別協定」について伺います。

 そもそも、在日米軍駐留経費については、日米地位協定二十四条において、基地、施設の提供等を除く駐留米軍維持のための経費はすべて米側が負担するという取り決めとなっています。これが、千九百七十八年から、当時の金丸防衛庁長官が、米側財政事情を勘案し、「思いやりの精神」で対応しようということから、日米地位協定の範囲内との解釈のもとで六十二億円の日本側負担が始まったことはご承知の通りです。

 これが千九百八十七年からは、日米地位協定を超える分について、「特別に措置するため」に、この特別協定が結ばれ、五年ごとに改定されてきました。そのたびに日本側の負担は拡大し、今や二千七百五十億円、実に四十倍を超える規模にふくらんでいます。米国防省の議会報告によると、日本は、海外の米軍駐留経費の七十六%を負担しているということですが、これは世界中で突出した額です。

 国民の間からも厳しい経済情勢を背景に、この「思いやり予算」について見直すべきとの声が多く聞かれます。なかでも、駐留軍経費の名目で、基地内で娯楽施設等が整備されたり、基地外の住居の光熱水費が支払われている等の報道がなされており、きちんと国民の税金が使われているかどうか不透明であるとの批判があります。

 日米の経済状況は当時と大幅に変わっています。日本財政は先に小渕前総理がおっしゃったように世界一の借金を抱える危機的状況です。今回の交渉では、現内閣も日本側の財政事情を訴え、三十三億円程度負担を縮小することになったとききます。しかし、これは在日米軍駐留経費総額の六千七百億円のうちの三十三億円、すなわちたった0,5%にすぎません。しかも、基地の外で生活しているアメリカ軍人の光熱冷暖房費に相当するもので、最初から排除されるべきであった費目にほかならないのです。

 政府はこれまでの答弁の中で「日米特別協定」は、特例的、暫定的、一時的措置であると説明し、米側財政事情を最大の根拠としてきました。この事情は変わらないのでしょうか。我が国の現在の財政事情で三十三億円程度の削減で十分とお考えかどうか伺います。 そもそも今回はどの程度の削減目標をもって交渉にあたっていたのか、さらに、今回の結果を踏まえて今後どの程度削減していくつもりなのか、またその意志はあるのか伺います。

基地をめぐる日米関係を対等に

五 日米地位協定の改定に向けて

 さて、民主党は、このかん地位協定そのものの改定について検討を進め、本年五月に改定案をまとめ、政府に要望したところです。

 民主党は折に触れ地位協定の抜本的見直しの必要性を指摘してきましたが、政府はきわめて消極的な姿勢をとり続けて運用面での改善措置を言うに終止しています。

 民主党の改定案の主な点を若干紹介すると、基地の提供に係る取り決めを定期的に見直し、その際基地所在地の自治体などの意見を聴取することや、米軍の施設・区域使用には原則として日本法令が適用されること、また、地方自治体の関係者が施設・区域への立ち入りを要請した場合に、米軍が協力するものとすることを明記しています。また、環境保全条項を設け、環境被害について米軍の原状回復・補償義務を入れる。移動の名目で飛行訓練を行わないことや、演習・訓練のための日本の領域の使用には、日本国の法令が適用される。凶悪犯罪の場合に、起訴前であっても日本が被疑者の拘禁を行えるようにする。

 などです。

 民主党は以上のような内容を十二項目にわたって提案しています。
なぜ地位協定の改定をしなければならないか。たとえば環境問題が新たに問われています。基地が日本に返還されても、環境汚染されて土地が使い物にならないのではこまります。返された基地にPCBがあっても全部日本側の負担で後始末をしなければならない。使ったあとをきれいにして掃除して返すのが対等な関係というものではないですか。ドイツの場合では演習その他の訓練に関しては、ボン補足協定があって、ドイツ法の適用が定められている。

 沖縄県は八月にこの地位協定の改定案をまとめ政府にも要請しています。神奈川県と基地関係九市で構成している神奈川県基地関係県市連絡協議会も政府に基地返還と地位協定の改定を要請しています。ところが河野外務大臣は今月一日の衆議院の外務委員会での質疑で、我が党の伊藤英成議員にこたえ、「地位協定の改定が一番本筋で、運用改善はとりあえずの話だ」といったんは認めつつ、実際には米国との関係でそうするわけにはいかないと答弁されています。

 河野外務大臣に伺いたい。なぜ、日米地位協定の改定に政府は後ろ向きなのか。アメリカに対してもの申せないわけでもあるのか伺いたい。

周辺住民の怒りは爆発寸前 米側に厳しく申し入れを
騒音被害は過去最高

六 NLP(夜間離発着訓練)について

 次に米軍夜間発着訓練について質問します。

 米海軍厚木基地周辺の騒音に対する住民の苦情が、今年四月から九月の半年間で四千四百四十九件と、年度別比較ですでに過去最高を示しており、九月だけでも、二千件を超えています。うち、NLPに対する苦情は七百三十三件で硫黄島での訓練が始まってからこちらも過去最高となりました。基地の騒音に住民の怒りが高まっていることがわかります。

 今年九月五日から七日間にわたって厚木基地で行われた訓練は従来より騒音被害が激しく、米軍に理解を示す住民からも怒りの声が寄せられています。こうした中で大和市の市長は米軍との友好関係の断絶を表明、神奈川県知事も米軍司令官に抗議を申し入れるという事態に発展しています。自治体が大変苦労しています。政府は今回の周辺住民の騒音被害にどう対応するつもりですか。外務大臣の答弁をお願いいたします。

 今回の特別協定との関係でいえば、硫黄島代替訓練施設を建設費百六十七億円を投じて、すべて硫黄島で訓練する取り決めをしたにもかかわらず、最近急に厚木での訓練が増えたのは明確に約束違反ではないか。また、私の質問主意書に対して政府は、「できる限り硫黄島で訓練を実施するよう米側に申し入れる」といいながらも「三宅島が代替訓練の適地と考えており、移転をめざして努力を続ける」と答弁しました。この答弁は、厚木基地の周辺自治体にとっては現状維持を意味し、また噴火で避難を余儀なくされている三宅島住民からは「災害に乗じるとは冗談じゃない」と猛反発が出ています。政府は東京都と三宅島関係者にこれまでどのように働きかけ、今後どのように働きかけるつもりか、防衛庁長官に伺います。沖縄に次ぐ基地県である神奈川にはこの問題以外にも県及び周辺七市による米軍デモンストレーション飛行中止の要請など、基地に関して自治体から国に対して切実な声があがっていますが、進展は見られていません。国は毎年これらの声を聞きっぱなしなのか、前向きに取り組むのか、外務大臣に答えていただきたい。

基地の従業員のじん肺被害者の早期補償を

七 従業員の不安定雇用の問題

 虎島防衛庁長官に伺います。

 日米地位協定にかかわって、米海軍横須賀基地で修理作業中に粉じんを吸い込み、健康被害を受けたとして、日米地位協定十八条に基づく補償を求めている「横須賀じん肺被災者の会」が補償の早期実現を求めています。先月十九日にも防衛施設庁を訪ねて要請が行われました。席上、このことの政府の取り組みが遅く、誠意が見られないと、高齢者を多く含む被害者の方から怒りの声があがっています。私も同席してつらい思いでこの声を聞きました。政府として一刻も早く補償が進むよう、米側に働きかけるべきです。このことについて、ぜひ防衛庁長官の努力するという答弁をいただきたい。

 また、米軍基地に働く従業員の労務費については九十一年に取り決めが行われています。今日、日本政府が全額負担(二万三千五十五人分)しているが、それならなぜ、その負担の実態に応じて日本側の責任で採用や解雇の決定権限、給与などの労働条件についての決定権限が日本側にないのか。一例を挙げれば基地に働く従業員は日本の祝日が適用されず。五日間少ない十五日間しかない。こうした労働条件についても日本政府として、改善して行く必要があると考えるがどうか。二万三千五十五人いる従業員の安定雇用を考えればこの先、基地をめぐる様々な変動があった場合、従業員の雇用をどのように安定させていくかは日本政府の大きな責任と考えるがどうか。

 以上、本協定に関する政府の明確なる答弁をお願いして質問を終わります。


政府答弁は省略しました。参議院のホームページで編集され次第ご覧いただけます。

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(斎藤事務所)