バリアフリーの部実行委員長・加藤圭子さん
ただいまより、市民対話集会実行委員会主催、斉藤つよしバリアフリーを考える市民対話集会を開催します。今日は皆さんから、障害者も共に使える公共交通機関について生きた課題を提起いただき、神奈川のバリアフリーについて討論したいと思います。それでは斉藤つよし参議院議員から一言ごあいさつを。
参議院議員・斉藤つよしさん
小泉政権が誕生し、痛みを伴う構造改革ということが言われています。改革という事は私たちが主張してきたわけですが、ちょっとまってくれ、痛みとはどんな痛みか、どんな方向の改革なのか、ということを問いかけながら運動をしています。その際、社会の中でハンデを負って頑張っている人の声をもう一きちんと伺って、政策をもう一度きたえ直し、人々の幸せにつながる活動をしていきたい。
本日は大事な機会をつくっていただいたことに感謝します。
昨年、参議院の交通推進委員長をしていた時、交通バリアフリー法が審議され、成立の責任者となりました。法律はできましたが、問題はむしろそれがどのように運用されているかです。
一昨年の秋、神奈川県の「いのちとくらしを守る共同行動委員会」の運動として、磯子駅のエレベーター設置要求でJR東日本と交渉しました。斉藤事務所で交渉を設定したのですが、車椅子のかたを中心に10数人の方がそれぞれの立場から要求を述べられ、会社側は「エスカレーターで十分」とかたくなな態度でした。しかし、話し合いを受けてエレベーター設置の予算がつき、今年実現しました。直実にがんばった分だけ変わっていく、しんどい作業であっても前進していることを感じます。
交通バリアフリー法成立以後の状況はつかみきれていません。交通の分野だけでなく、住宅、仕事、IT革命にいたるまで、また保育園、学校における障害児の受け入れなど、バリアフリーについていろいろな問題があります。本当の改革とは何か、国民に訴えていきますので、忌憚のない意見をお聞かせ下さい。
加藤さん
申し遅れましたが、実行委員会の加藤です。よろしくお願いします。本日、この集会では手話通訳と文字通訳にきていただいています。手話通訳は社団法人神奈川県聴覚障害者協会から2人。また、文字通訳は植野さん、大場さん、杉山さん、古谷さんの4人です。最後までよろしくお願いします。
コーディネーター 奥山さん
ありがとうございました。対話集会の中身に入ります。今日、進行役をつとめます、奥山です。DPI日本会議というという障害者の団体で活動しています。DPIというのは、「障害者インターナショナル」ということばの略です。草の根の障害者団体の集まりでありさまざまな障害者の権利確立を大きな目標とし、障害者の施策にかかわるさまざまなぶんやについて活動しています。
今話のあった、昨年5月に成立した交通バリアフリー法について討論していただきます。 バリアフリーということですが、バリアーというのは「障壁」という言葉で訳されているとおもいますが、何年か前の障害者白書という政府の出す出版社のなかでは、4つの障壁と定義しています。おそらくその時からこの言葉がかなり広まったものと思います。今回の主なテーマである部分では、物理的な障壁というものが第一番の課題ですが、次いで、制度的障壁、情報的障壁。もうひとつは、意識的障壁この4つの障壁というこ問題になると考えます。同時にこれらの前提で、バリアフリーの社会づくりということで、いろいろな意味で取り組みが進んできたと思います。
昨年、国としては、はじめて交通機関の整備に関する法律を制定したのですが、それまでには自治体レベルでいえば、おそらく45の都道府県でも、福祉のまちづくり条例の様な表現の何らかの条例が制定されていたと思います。 その中で交通機関に対しても一定の整備等が要請がされてきました。
神奈川でも障害者・当事者として交通機関整備を求めるさまざまなとりくみがありました。DPIなども加わり10数年まえから全国各地の障害者団体の皆さんに呼びかけて、誰でも使える交通機関を全国行動ということで提起してきました。神奈川の取り組みも、そうした取り組みの一環として、全国の仲間と共に、取り組んできたものだと思っています。こうした長年にわたる切実な取り組み、たたかいがあって、自治体を動かし条例化が進んできました。そのひとつの到達点として交通バリアフリー法の成立につながったと思っています。その意味で、この法律が出来たことは非常に成果だと思っています。また法制定のための審議の過程で、障害をもった人たちが参考人という立場で発言をしていた経過があります。この点が一番大事な点ですが、かたく言ってしまうと権利性ということになると思いますが、交通機関を利用し、さまざまな場所に社会参加するということは、障害者だけでく、すべての市民にとって当然の権利です。しかし、他の法律もそうですが、なかなか日本の法制度の中で権利ということをうたわない、盛り込まないという傾向、また、仕組みがって、この法律についても権利性は、結局盛り込まれなかったのです。このような基本的な問題−法律に足りない点があることもふまえて、今後の取り組みが必要だと思っています。
さて法律の中身に入ります。大きくいえば3つほどの主要な柱があると思います。「バリアフリー化の促進に向けて国が基本方針を作ること」。2つ目が、「一定の基準に沿って、それに、適合させる義務。各事業者に義務づけられたこと」。
もう1つが、「市町村を中心に、一定の重点地区をモデルにした形で、駅だけではなく、周辺の建築物や道路も含めた整備について、基本構想を制定する」。以上3つの柱でできています。
ですから、当面、これからの大きな役割でいえば、市町村に、基本構想を作るように働きかけることだし、議論の中に障害者が参画し、意見を反映させるそういうことがこれからの大きな課題だと思っています。
前置きは、これくらいにして、視覚障害者の方、聴覚障害の方、肢体障害、車椅子の方を含め、3名の方に、おいでいただいているので、いまの法律の話は話として、主として、交通機関を利用する際に感じているさまざまな不便さや改善していきたいこと、あるいは、この間、神奈川と言う地域のなかで、何か変化してきたと感じる部分について、ざっくばらんに出していただいて、その後で斉藤さんが話に加わるという形で進めたい。順番を決めてなかったんですが、隣にいるので、小泉さんから。
(視覚障害者の立場で)
小泉さん
ノーマライゼーションを進める会で活動している小泉です。よろしくお願いします。私は視覚障害者で奥山さんが言われた、交通アクセスにもかなり関わってきていますが、やはり一種のひがみになるかもしれませんが、車椅子、肢体不自由の方中心のバリアフリー化は進んでいると感じており、なかなか視覚障害者にまで行き届いていないのが現状だと認識しています。
視覚障害者には点字ブロック、とよく言われますが、この点字ブロックも実にあいまいな存在でして、何かがあるんじゃないかという手がかりにはなりますが何があるか、ということは全く分からないのです。そういう曖昧な情報源しか視覚障害者にはないというのが現状です。
目から得る情報は大変多く、この情報を手がかりにしているわけです。視覚障害者は情報がないから歩けないんです。さっきの4つのバリアフリーの点で言えば情報の障壁ということです。「ここは狭い」「段差がある」そういう情報さえわかっていれば、極端に言えば、体を横にして通ったり足をあげて段差をのぼることはできます。聴覚からくる情報といえば、一番顕著な例がパチンコ屋の音とか、昔ですと改札口で切符を切るときの鋏の音がかなり遠くまで響いて手がかりになりました。今は自動改札で誘導チャイムのようなものがありますが、あれも「何か鳴ってるなー」という程度で「何が」あるというてがかりには乏しくなっています。
点字ブロックについてもそうですが,標準化というものがやっと、昔の通産省の工業技術院で点字用ブロックと線上ブロックの標準化がされただけです。一番望んでいる敷設のしかたの標準化は何もされていなくて、手がかりとしてはまだまだ乏しい状況です。
また一番待ち望んでいるのは音声誘導装置です。国土交通省で、統一化や普及に向けた研究を少しずつ始めているようですが、まだまだその速度はのろいようです。
もう一つ、しっかり言っておかなければならないのは、ホームにおける安全確保がなされていないことです。点字ブロックがホームの端にありますが、あれは30センチくらいの幅ですし、柱がホームの端にあると、それを迂回した形でついていたりして、とてもあのブロックだけでは安全が確保されているとはいえない状態。
みんなが待ち望んでいるのは、ホームドアの設置、可動式のホーム柵の設置を望んでいます。新大久保の例の事故があってから、よけいそういう声が大きくなっていますが、JRとしてもぜんぜんそういう動きは見せようともしていない状態です。交通バリアフリー法にも、ホームドアを設置しなさい、ということは書いてないのかな。
奥山さん
法律には書いていないんですね。法律のもとで、バリアフリーを円滑化するための基準が作られているんですが、その中に、ホームドアとか可動式の柵とか、最近の手法として、パブリックコメントというのを役所が求めるのがスタイルになっていますが、かなり当事者団体が数多くのコメントを寄せたことで受け入れられた、それらの基準が入ったと聞いてます。実際にどう整備されたかはわかりません。
では次に川名さんから。横須賀にお住まいですが、いくつか、エレベーターがついたりしていますが、感じていることを。
(車椅子利用者の立場から)
川名さん
横須賀のたけのこ会自立生活センターの川名です。障害者30人、ほとんど肢体不自由者でそのなかに視覚障害者もいます。地域で自立生活をめざしています。
われわれの要求は、やっぱりエレベーターとかエスカレーターの設置です。駅にエレベーターやエスカレーターがある駅に行くしかないんです。電動車椅子で横須賀から来ましたが、電動車椅椅子は80Kgあるんです。私の体重は55キロぐらいですが、そうすると140kgくらいなんです。人間が5〜6人いないと持ち上がらないんですよ。だから全駅にエレベーターをつけてほしいという運動をしているのですが、どうもエレベーターでなく、エスカレーターが多いような現状です。聞いたところによると駅の構造上、エレベーターが作れなくてエスカレーターしか作れないと言われます。それが本当なのかどうか。
エスカレーターだと、いちいち駅員さんを呼ばないといけない。呼んでいるうちに時間がすごくかかるんです。エレベーターだとボタン1個で一人でも乗れるんです。
それにエスカレーターだと、おっこちる危険がある。いつもそんな危険がわれわれにはあります。
私は電動車椅子ですが、手動の車椅子だと人に頼まないと来られない。電動車椅子だと一人でこられるので迷ったんですけど、ボランティアを頼んでもよかったのですが、一人で来たかったもので、電動で行きたい。それと普段、わたしも車の運転免許をもっています。車でこようと思ったんですが車だと、また、大変な問題があります。車椅子を車から出すのに2〜30分かかるんですよ。車だと駐車場の問題もありますし、普通の駐車場だと、狭すぎてドアが開かない、ドアがめいっぱい開かないと乗り降りできない。もう1つ、バスの開閉の問題があります。横須賀市では、車椅子で自力で乗れるバスがないんですよ。私の家が横須賀駅から車で30分以上もある山奥(笑)なので横須賀でも、山奥なんですよ(笑)。車がなければ帰れない。今日は福祉タクシーを予約して帰るんですけど、横須賀にも車椅子で乗れるリフトバスがノンストップバスを導入してほしいと思います。
奥山さん
さっきの基準の話をしたんですが、国が出した資料ですと、一応基準としては垂直移動に関しては基本的な方向では、エレベーター及びスロープという書き方になってるんですが、これも、パブリックコメントを含めたもので基本的にはエレベーターが第一義的なものにやっとなったと思います。ただこれは、法律自体、新設ないし大規模改修のときに適用となっていて、既存の施設については努力義務規定になっています。このあたりの実効性の問題は法律自体の問題として、これからの大きな課題だと思います。
斉藤つよし議員
JR東日本から、エレベーターの設置について私が問いただしたので補足したいと思います。
JR東日本は計画を発表しました。390駅、2,010年度までに交通バリアフリー法対象駅(=高低差5メートル以上の駅、乗降人員5000人以上の駅)にエレベーター・エスカレーターを重点的に整備する。これによりエレベーターは約190駅、約5割。エスカレーターは240駅(整備対象駅の8割)というものです。
駅の数だけでしたので、具体的な駅名を質問したのですが、当初はなかなか言いませんでした。やっと、「主要な整備駅」ということで東海道線は14駅、横須賀線は3駅、南武線は6駅、横浜線は11駅、根岸線は10駅です。たとえば横須賀線は新川崎駅、鎌倉駅、逗子駅の三駅です。
2010年までということですから、あと10年弱。JR東日本のみの話ですから、この後、私鉄の改善をめざします。
奥山さん
今の駅名というのは、公式には明らかにしていないものですか。
斉藤つよし議員
JR東日本として発表していませんから、今はじめての発表だと思います。
奥山さん
ありがとうございました。次に聴覚障害者の立場として斉藤正比己さんからお願いします。
(聴覚障害者の立場)
斉藤正比己さん
今までの話をきいて感じたことは、私もバリアを大きく分けると4つになります。一番バリアフリーとして何とかしてほしいのは、視覚障害者と同じ、情報面のバリアです。
実は今、毎日静岡の三島へ新幹線で新横浜まで通勤しています。新幹線の中はみなさんもご存じのように次の駅名とか簡単なニュースが電光表示で流れています。それを見ることいろんな情報を得ることが出来るのですが、たまたま電車が遅れたりする時、駅に止まったままで、「毎朝新幹線を利用してくださってありがとう」というのが繰り返し繰り返し流れます。肝心な情報が伝わってきません。どういう事故とかトラブルが起きたとか復旧の見込みはどうなのか、何時ごろに職場につけるのか、そういう肝心な情報が伝わらないわけです。そういう面では、車椅子の方のように、移動そのものに困難さがあるというのと比べた場合はとても恵まれていると思いますが、ただ、交通機関を利用するときの行きたい場所に行くというだけではなく、行くプロセスの中でどういう情報をキャッチして、自分の生活や楽しみにどうつなげていくか、という問題と併せて考えてみると多くのバリアが存在しています。
いま静岡県の場合は、ご存じのように富士山が爆発するのでは、とか、東海大地震がまもなくきてもおかしくないとか、そういう生活上の危機情報がとにかく新聞の大きな見出しから伝わってきますが、交通機関を利用して移動している最中にそういう、−起きてほしくないことですが−、もしも起きたときに避難をどうするか、という重大な問題でバリアがまだまだ厚いわけです。こういう情報面のバリアフリー化を進められればいいなと思っています。
私の住んでいるところは静岡の長泉町という人口が3万5千人くらいの小さな町です。
駅利用者が5千人を超えるかどうか。いい法律がみなさんの努力でできるのですが、どうしても取り残される人が出ていると思います。日本に住んでいるのだからみんな同じではないのかと思いたいのですが、たまたまた横須賀の山奥(笑)とか、静岡の田舎とか、住んでいる場所の違いだけで、影響を受けるのは納得ができません。たまたま障害があるというだけで命を守るものが整備されていない。そういうことはなんとしても改善していただきたいと思います。
特に私たち情報面のバリアフリーをすすめる場合、今日の対話集会のように手話通訳や、パソコンの文字通訳など人的なサービスが必要です。人的なサービスは、スロープやエスカレーター、エレベーターのように物理的なものは一度作ると、メンテナンスは必要ですが、それが使える間は特別な予算を組む必要はありません。しかし人的なサービスを利用するバリアフリーを進めるには予算が必要です。
そもそも聞こえない私達の要求を満たすために、訴えていく時もまた予算面のバリアがあります。
アメリカでは10年以上前に法律が出来ましたが、その中に電子リレーサービスというものがあります。聞こえない人は、音声による電話ができませんので、中継センターを通して、文字とかに変換していただくわけです。そのサービスを利用の電話料金は、聞こえる人も聞こえない人も同じように負担をする。そういう前提で進められているのです。人口とかエリアという問題も日本には必要かもしれませんが、少なくとも社会に参加していく、経済や文化、社会活動に積極的に参加していく権利があるという面ではみんな同じなのだと思います。
斉藤つよし議員
駅舎の問題が多く報告されました。小泉さんが報告された点字ブロックの問題は、バリアフリー法の審議過程でいくつかの駅を視察した再、とても重要な問題だと参画人しました。今回の交通バリアフリー法は、基本的な構想を市町村が行うというものです。今の法律の枠組みだとバリアフリー上の様々な施設設置の奨励で終わっています。国が鉄道事業者に対する補償金とか基本的な法律をきちんと補強しなければなりません。そして市町村の構想に対して運動の側からもきちんと注文をつけていく意味が大きいと思います。それからホームドアの設置も必要です。
新しい駅は設計の段階から関わり、また、既存の駅にも改善を進める強い取り組みが必要だと再認識しました。
奥山さん
さきほど川名さんからバスの話があって、事実上、電動車椅子は全く通常のバスには乗れない状況があるということです。手動車椅子もたいへんですが。小泉さんと斉藤さんからバスの利用について補足的にお話下さい。
小泉さん
一番困るのは、1つのバス停にいろんな行き先のバスが止まると言うことです。停まったときに「○○行きです」とと流してらわないとアウトです。乗らないでいると閉めていってしまうとか。白い杖を持っているわけですから、見えない人がいるんだなということを理解してきちんと流していただきたいでいすね。それから車内放送で、テープが最近だいぶなくなりましたが、ずれてるときがあります。こっちはテープのアナウンスだけが頼りです。周りの景色で降りるバス停に気づけない。そのテープをきちんと流していただきたい。また、、窓をあけて走る時期には外の騒音に負けてしまって、何を言っているのかわからないということもあります。それから降りるとき、バス停の位置にきちんと止めてくれない。一回、バスをおりたら、いきなり目の前に電柱があってぶつかったり植え込みだったりしました。
奥山さん
ありがとうございます。斉藤さん、バスに関して何かあれば。
斉藤正比己さん
バスのなかに停留所の電光表示つく以前は、止まる停留所がどこか分からなくて、乗ったら最後、ずーっと景色を見続け、見覚えのある風景の処に来たら停車ボタンを押すというものでした。聞こえない人の運動の一つとして、電光表示がつくようになり、それ以後は大変恵まれた状況にかわりました。ただ、行き先表示が大雑把なところがあります。たとえば「次は横浜駅です」といって降りようとしたら、「横浜駅はまだ先」で降りて随分歩いたという経験があります。それも少しずつ改善されてきましたので、そういう面では運動の一つの成果としてありがたいと思っています。
奥山さん
ありがとうございました。川名さんトイレの問題は大きいと思いますが、電車、特に遠距離で乗るときに、トイレの使用はなかなか車椅子の方にとってはそれこそ大きなバリアだと思っていますが、ご自分の経験のなかで、困った経験とかありますか。
川名さん
東京駅から横須賀線へ行くとき急にトイレ行きたくなって、でも言うと悪い気がして、横須賀駅までがまんした経験があります。途中で行きたくなったときは、困りますね。
奥山さん
電車の場合は、乗った場所によって通路も狭いしトイレの形式自体も車椅子の人が使えるトイレが少ないと思います。改善はされてきているようですが。
そういう意味で、今回の法律、基準の中にいくつかの点でエレベーターの設置のこととか、ホームドアのこととか、視覚障害者や、聴覚障害者の情報提供のことであるとか、従来よりは一定程度進んだと思いますが、当事者が困っていること、切実な問題が事業者なり行政にどう伝わるかが一番問題だと思います。
斉藤議員も繰り返し言われましたが、基本は、市町村が作る、まず「つくる」という方針を持ってもらわなきゃいけないんですが、基本構想の議論の中に当事者がきちっと参画することが一番大事なことではないかと思うのです。
斉藤つよし議員
交通バリアフリーということで、様々なバリアが残っていますが、政治参加にも多くのバリアーが存在しています。視覚障害者の選挙権の保障もまだまだです。
3人の方から具体的な形で話をいただいて、もう一度、この法律の意味を見直して、真のバリアフリーについて追求していきたいと思います。とくに、情報のバリアーという実状を再認識しました。「痛みのともなう構造改革」と簡単に言う前に、一つ一つの課題に向き合い、痛みを知りながらノーマライゼイションを力強く進めたいと思います。
奥山さん
会場におられる方からも意見を。感想のある方ご発言下さい。
会場より 1
皆さんおつかさまでした。わたし自身も障害があるのですが、いま高齢化社会という中で、高齢者の問題でもあり、小さい子供を抱えて、移動するお父さんお母さんの課題もあります。そんな中で、ごく少数の障害者だけの問題ではない。全体社会の課題なんだという理解が広まればと思います。
その意味で障害者だけではなく、おじいちゃん、おばあちゃん達とも話し合いの機会が沢山出来ればいいと思います。
奥山さん
もうひとかた。ぜひひとこと。
会場より 2
今日、いろいろな話を聞いて、考え方はほぼ同じです。あと付け加えると、バリアフリーもそうなのですが、これからは最初から、車椅子を使う方も、視覚障害の方も、聴覚障害の方も、誰もが使えるという前提で施設を作ってもらえればいいんじゃないかと思いますし、それはごく当然の話だと思うんです。それは健常者もやはり使いやすい施設の追求ということだと思います。そこには、予算云々はおいておいて、今後の課題として考えるべき問題ではないかと思います。
奥山さん
とても豊富な報告をいただきました。この法律を作るときに、民主党案というものも出されて、議論の中に当事者も入る、国会の審議そのものもそうした活発な議論が出来るようにと切望します。
加藤さん
どうも長時間ありがとうございました。特に今回は皆様、遠くからきていただき、非常に苦労してきていただいたこと、肝に銘じ、心からお礼申し上げます。
もともと人は、好きな時好きな所へ、好きなように行って、好きなことをする権利がある、ということになっていますが、それが実際できないことがある、できない人がいる、できない時がある。
今日のことは、この場で終わるのではなく、この後多くの人に発信していきたいと思います。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございました。
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