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2次補正予算案審議
(参議院予算委員会,2002.1.29)

斉藤 勁 アフガン復興支援会議へのNGO出席問題で国会が異常な事態になっているのを総理はどう考えているか。

小泉首相 外務省の問題で国会が紛糾したことは政府全体の責任、国会全体の問題であり、責任を重く受け止めている。

斉藤 勁 田中前外相、野上事務次官の更迭、鈴木議運委員長の辞任の理由は何か。

小泉首相 国会が正常な状態でないことを長く放置してはおけないということで、このような形で事態打開をはかろうとした。

斉藤 勁 総理がリーダーシップを発揮すれば問題はもっと早く解決したのではないか。

小泉首相 私は早く事態を正常化させようとあのような処置をした。

斉藤 勁 NGOに対する総理の認識は。

小泉首相 NGOは世界的にも活躍が認められている団体であり、外務省もNGOと協力していく、アフガン復興支援についても協力しているという方針には変わりない。

斉藤 勁 アフガン復興支援会議へのNGO出席問題で、鈴木宗男議員が言った、言わなかったという問題についての真相解明をどうするのか。

小泉首相 この問題は水掛け論になる。この問題で国会を紛糾させるのはよくないと思っていた。

斉藤 勁 3人の更迭・辞任で事の真相、問題点はこれからどうなるのか。

小泉首相 問題の本質は、外務省がNGOと協力していくか、していかないかの問題だ。していくと決定したでしょう。過去はいろいろあったとしても。私はそれでいいと思う。

斉藤 勁 3人の更迭・辞任で真相解明にはならない。3人の言っていることの食い違いを解明する意味からも、私は田中前外相を参考人として本委員会に呼ぶことを求める。

真鍋予算委員長 ただいまの件は、後刻理事会で協議いたすこととします。

斉藤 勁 外務省はなぜNGO2団体の不参加を一度決めて、そして、一転、参加を決めたのか。総理、答えてください。

小泉首相 一部の議員の発言を受けて、外務省としては一時特定のNGO団体を参加させないという経緯があった。それを大臣がおかしいんじゃないのと言って直させた。それはいいんですよ。
 それが、言った、言わないでごたごたし、国会全体を紛糾させ、外交問題にも影響が出るというので、早く事態を打開しなきゃということで、あのような処置を取った。
外務省はこれからいろんな党の意見、野党の申し入れ、世論、いろんな事を聞いてもいいが、総合的に適切な判断を下さなきゃならない、ということをよく申しつけている。

斉藤 勁 この問題で、「政府見解」と「申述聴取結果」の二枚のペーパーを資料として予算委員会に配布しておりますが、政府見解は田中前外相も認めている内容ですか。

小泉首相 認めております。

斉藤 勁 政府見解では、「アフガン復興支援国会議へのNGO参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない」とあるが、衆議院予算委員会で田中前外相は、特定の議員の介入があったと野上事務次官あるいは中東アフリカ局長から会議の中で聞いている、と答弁している。総理の認識は。

小泉首相 NGO参加問題について、最終的な参加決定の前に、外務省は適切さに欠けていた面があったということはあると思います。

斉藤 勁 塩川財務大臣、あなたは衆議院予算委員会で、津島予算委員長とのやりとりで、真紀子は悪くない、野上が悪いんだと言っています。責任がない、悪くない人をなぜ更迭する必要があるんですか。

塩川財務大臣 私は、事務次官が大臣とよく相談しなかった、何でしなかったんだろう、それは悪かったなということを言っているんです。

斉藤 勁 全国放送で、財務大臣、真紀子は悪くないと言っているんですよ。すぐ数時間後ですよ、この更迭が問題になってくるのは。外務大臣と事務次官を更迭することによって、言った、言わないの問題にすり替えているのが政府の態度だ。責任の所在を不明確にするのは大問題だ。私は、改めて田中前外相を参考人として呼ぶことを求めます。

真鍋予算委員長 齋藤議員の質問は、先ほどございました要求と同趣旨と思いますので、後刻理事会で協議することで処理をさせていただきたいと存じます。

斉藤 勁 三人が辞めることで事態が解決したことにはならない。NGO参加拒否の経緯を明らかにすることが総理のリーダーシップ、任務ではないか。真相解明のために、再度、田中前外相を参考人として呼ぶことを求めます。

(参議院予算委員会総括質疑速報を要約、文責=斉藤 勁事務所)