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ODA見直しとIT150億ドル支援「真水」について」

 さて、さきに、同じ時期にシンガポールで、総理はこのASEANの首脳会議の席上で、いわゆるODAのことですけれども、我が国の今の厳しい経済・財政状況の中ではODA予算も聖域ではないということで、これは見直しを示唆するということで聞いているんですが、こういった効率的な運用が必要だと、見直しを示唆するこういう御発言はこの首脳会議の中でされておりますか、お尋ねいたします。

国務大臣(森喜朗君)
 直接、政府の方向である、あるいは方針であるということではなくて、我が党の政調会長からODAについてはよく見直さなければならぬという御発言がありました。そのことについて、各首脳から、そういうニュースをごらんになって、私にそれが真実なのかどうか、政府もそういう方針なのかどうかということをお尋ねになられたから、それに対しまして、こういうASEANの国々にとりましては、我が国のこうしたODAを初めとしての援助を受けるという立場から見れば、国が発展をしていくためには極めて重要なことであるということでは大変関心がありまして、この亀井政調会長の報道がそれぞれの国にも流されたようでありまして、大変そのことについて皆さんは心配をされていました。
 私としては、政府としてはまだそういうことを決めておるわけではないが、日本も御承知のように大変厳しい財政状況になっておるので、いずれ年末には予算編成に入るわけだけれども、一応今のところは政府の方針としては、予算には聖域はないんだ、まずそれは原則ですと。しかし、個々にいろんなケースで議論をしていかなきゃならぬし、特に我が国の中には、我が国の援助を受けていながら軍備を強化されたり海外にいろんな兵器を売ったり、そういう国があるということは我が国の国民から見ればなかなか理解できない面でもありますよと、そういうことも、特定にどこどこということは私は申し上げておりませんが、そういう国民的な感情があるということもよく皆さんに御理解をいただきたいというようなことを私から申し上げたわけであります。
齋藤勁君
 私は、ODAについては聖域ではないと、我が国の経済・財政事情等もございますが、この見直しをするということについては基本的には賛成をします。言ってみれば、従来型はどうもばらまき型ではないかという、こういう批判もありましたし、また中身についてもいろいろ吟味をしているわけであります。
 そこで、森eアクション、シンガポール首相が森eアクションと、こういうことで、このASEANの首脳会議で総理が百五十億ドルに及ぶ情報技術支援をASEAN側に重点配分すると表明をされた。そのときに、シンガポールの首相がこれを森eアクションと名づけるように提案をし、各首脳が賛同したと先ほど総理の御答弁がございましたけれども、それはそういうふうに各国の首脳も賛同されたということなんですか。
国務大臣(森喜朗君)
 別に諮られたわけじゃないんですけれども、ゴー・チョクトン議長が最後の締めの言葉の中で幾つかいろいろ申し述べられまして、そして日本のこうしたいわゆるデジタルディバイドに対する国際的な協力、これは我々の国にとっても大変評価したいと。
齋藤勁君
 各国首脳が森eアクションとおつけになる、それはそれで別に私もそうなのかなと受けとめるしかないんですが。
 そこで、百五十億ドル、先ほどの御論議、私たちも経過は、九州・沖縄サミットで決まっていたということで、百五十億ドルIT支援というのはそれなりに念頭にあるところでございますが、総理はシンガポールで、このIT支援百五十億ドルというのは実際の財政負担額、真水でどのくらいですかという、こういう記者の質問に対して、いや、これは真水というのは全部なんだという、こういうやりとりがあって、私は新聞報道をそのまま読ませていただきますと、記者が使い切れるんでしょうかと、各国の事情を聞いてこれから事業を考える、五年間かけて出すんだということを総理として答えられているんですが、これは事実ですか。
国務大臣(森喜朗君)
 これは別に、正式な会見の後のそういう質問ではなかったんです。終わりましてから道を歩いておりましたときに、どこかの記者だったか、たくさんおられまして、それはみんな真水ですかと、こういうふうに言われまして、外国の方でしたけれども、外国にも日本の真水が常用語になっているのかと思ってちょっと驚いたわけですが、歩きながらの声にこたえて言ったので、これはそれぞれの国にいろんな計画があるわけですから、その計画に合わせてこちらがどう協力ができるかということじゃないでしょうかというふうに申し上げておきました。
 そのためには、これからやはりそれぞれの国がいろんなプランをお立てになるでしょうし、何を支援を求めていくのかということも当然国によってみんな違うんだろうと思いますから、今後それぞれの国が何を一番求めておられるか、そういうものをしっかり伺って、それはODA対象になる、あるいは非ODAになるのか、あるいは国際協力銀行などによる輸出金融ということになるのか、これはもうケースによっていろいろと私は異なってくるというふうに思っております。
齋藤勁君
 外国の記者かもわからないんですが、日本の新聞で、真水、いわゆる実際の財政負担額は幾らですか、こういう言い方をしていますよね。それで、総理も今言われたように、全部だと。過日、可決をされました補正予算もそうですが、この真水、実際これはいろいろ融資とか保証とか何かも膨らむわけですよね。全額真水という首相の言葉に、随行の官僚は、首相はわかっているのだろうかと首をかしげて、通産省などからは、百五十億ドル全部が真水ならばらまきになりかねないと、同行の官僚の方が言っている報道があるんですね。
 これははっきりされた方がよろしいんじゃないですか。真水、百五十億ドルなら約一兆六千億ぐらいになるんですか、日本円に換算して。これからいわゆる融資とか保証とか、いろいろ含まれているからもっと膨らみますよということをASEANで言われたのか。いや、これはまだ、ぱっと言われて、質問されたらぱっと答えちゃったんで、これから各国のいろいろな事情とか何かを聞いて、そこはそうならないんだというなら訂正をされるなり、大きい記事でございますので、改めてお尋ねいたします。
国務大臣(森喜朗君)
 
私の申し上げたことは、本件のこの包括的協力策というのは、ODAもありますし、非ODAもありますし、あるいは公的な資金を通ずる新規の協力策というような、そういう趣旨で申し上げたわけでありまして、経済協力ということの中に真水という定義はないわけでありますから、私は、歩きながら記者団に聞かれたので、おやっと思ってびっくりしたので、日本としてはできるだけのことをして協力したいんですよという姿勢を見せることが大事だと思って、実際あけてみたら余り期待ができるものではなかったというふうになってもいけないなというふうに思ったので、そういうことを申し上げたわけです。
同行の官僚がどういうふうに言っていたかは私は直接耳にいたしておりませんが、私としては、でき得ることはできるだけの御協力をしてあげることが一番国際協力として大事なことだろうという、そんな思いで申し上げたわけであります。
齋藤勁君
 しつこいようなんですけれども、財政支出をしていくわけですから、この辺をきちんきちんとしていくということが我が国の信頼を強固にしていくということではないかと思います。今の御答弁ですと、どうも、真水と言われた、全部だよというふうに答弁したけれども、まだ確たるものではない。真水というのは、これは国民が見ていますから、国際社会も見ていますから、総理自身がきちんとお答えいただくということがこれから国際的にも必要だと思います。
国務大臣(森喜朗君)
 たびたび申し上げて恐縮ですが、どなたが質問されたのか、人が確定もできません。たくさんおられた中で、ある種のやじのようにして飛んだということでございますから、その場で、ケース・バイ・ケースでどうあるべきだよなんということを説明できるわけでもありませんし、また皆さんが期待をしておられるわけですから、基本的にはできる限りのことをしたいという気持ちで申し上げたわけですが、ただ、それぞれの国の計画、プログラム、そういうものがあるでしょうから、それによってしっかりおこたえをしていきたいということだけは、そこで皆さんに立ちどまって申し上げておきました。そういうふうにマスコミでは言葉だけとらえていろいろ流されていくわけで、私などはその犠牲者の最たるものでありますが、要は、そうした国々の皆さんにとっては、先ほど言いましたように、道路だとか、むしろほかの方のインフラ整備がまだまだ足りないんだという中で、一方でこういうITの問題がどんどん進んでいく。そのことに対して大変な不安感を持っておられるわけですね。ですから、そういうことに対して、日本がそこで、そのことによって経済的な利益を上げようとかそういう思いではなくて、そういう皆さんの生活の向上のために資するようにしていくということが大事だという、そういう思いで私は申し上げたわけであります。
齋藤勁君
 「IT支援の百五十億ドル」と書いてあるものですから、これは今IT基本法で、デジタルディバイド、情報格差をこれは解消していかなきゃならないということの、そういう意味では国内もそうだし国際社会もということで、あえてしつこく聞かさせていただいています。どうも、やりとりですと、「森首相「すべて真水で」」と見出しにありますけれども、今の答弁だと、各国の事情を聞いてこれから考えるんだと、こういう私の受けとめ方でよろしいですか。
国務大臣(森喜朗君)
もう一つ私は、これは歩きながらどなたに対してお答えという印象はないんですが、五年間でやることですよと。それから、国によってそれぞれのお考えがあることですから、それぞれの当事国と十分御相談をさせていただきますと、こういうふうに申し上げたんです。

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